この記事の主な使用画像出典 ©密・リターンズ! 八神健
※この記事は2017年に書いたものを修正したものです
こんにちは。葵山優一です。
先日、とても悲しいニュースを見ました・・・
2017年9月4日 沖縄
男性が橋の上で交際中の女性にプロポーズし、返事をもらった直後、橋から落ちて死亡。
http://hobbylog.jp/archives/1067595872.html
男は幸せの絶頂から一気に天国へ・・・
非常にレアなケースであり、視聴者の興味を引く話です。
ネット上の感想では「笑える」「可哀想」「ヤラセじゃね?」など、様々な意見が飛び交っております。
僕は、この話を聞いたときジャンプ黄金世代のある作品を思い浮かべました。
今回紹介するのはその作品。
密・リターンズ! です!
作品紹介
八神健先生によるジャンプに残る名作ラブコメマンガです。
あらすじを簡単に説明しますと。
主人公の高校教師である端島密は同僚の星崎理都に橋の上でプロポーズをし、直後に川で覚えている少年を発見し、助けるために飛び込みましたが、川で溺れて亡くなってしまいました。
「プロポーズしたばっかなのに・・・」
しかし、通りがかった坊主、寅午の力で密の魂が呼び戻され、溺れて死亡した少年、鳴神源五郎に魂を移し替えられました。
しかし、色々と制約があり、そのことが理都に知られたら再び死んでしまいます。
密は鳴神源五郎として生きていくことを決め、もう一度星崎理都と最初から恋をしようと決意しました。
思い出と感想
冒頭の先日の事件を聞いたとき、真っ先にこの作品を思い浮かべました。
非常に思い出深い作品です。
近年のラブコメはヒロインがすぐ主人公に惚れる、いわゆるチョロインが多いです。
しかしこの作品は最初から好感度最悪から始まり、じっくりじっくりと上げていくという当時のジャンプでは非常に困難な手法でした。
なにしろ理都先生にとって源五郎は密を死なせてしまった人間なので・・・。
それでも毎週飽きさせず、源五郎の理都先生への一方的なアタックが続きました。
理都の学校へ転校したり、ライバルが出てきたり、幽体離脱したり・・・
八神先生の見事なラブコメ手法でしたね。
恋愛にはこういった努力が必要! という事を学びました。
なので理都先生の気持ちが鳴神源五郎(密)にだんだん向いていくのが爽快でしたね。
ラブコメマンガとして非常に面白かったです!
しかし、出版社側の都合で路線変更になり、2部に入ったとたん急激に人気が落ち、打ち切りとなってしまった不遇な作品です。
1話で死亡し、中盤で復活。さらに特殊能力を会得し、探偵となる。
幽☆遊☆白書のメガヒットをリターンズ!とばかりにバトルマンガに急遽路線変更しましたが、作者である八神先生は正直乗り気ではなかったそうです。
例え人気が低迷しようと、最後までラブコメを貫きたかったそうです。
しかし編集部には逆らえず、やむなくバトルマンガにシフトチェンジしましたが・・・
案の定、失敗し、早期に打ち切りが決まりました。
そりゃ・・・まぁ・・・ねぇ・・・
でも逆に、八神先生は安堵したそうです。
ちなみに打ち切りが決まったのは最終回4話前だそうです。
丁度ラスボスである「アルラル」が登場したあたりですね。
敵の設定やら今後の方向性やらなんやら決まったあたりで・・・
「あと3周で終わらせてください」
と編集部に言われたそうです。
ひでぇ・・・
しかし、黄金期ではこれが当たり前の光景だったそうです・・・。
無理やりバトル路線に変更させた編集部。
しかし人気が出なかったら即座に打ち切り。
このやり方が納得いかず、何人の作家さんがジャンプを離れていった事か・・・
しかし! 八神先生はクサらず、最後まで描ききってくれました。
八神先生は、「仮にバトルマンガが続いたとしても、やるからには全力でやる!」とおっしゃっておりました。
残り3話で何とか話のスジを元に戻し、最終回はとても幸せな結婚式をあげ、サブキャラ達の保管もほぼキッチリまとめてくれました。
八神先生お見事!!
葵山優一は八神先生のプロ意識にはマジ尊敬します!
こういう人こそ、ジャンプに必要だったのに・・・。
ちなみに八神先生はその後、チャンピオンで本格派ラブコメ
「ななか6/17」を大ヒットさせました。
いずれ紹介しますね。
以上、密・リターンズ!についてでした。
どうもありがとうございました。
追悼
冒頭の事故で亡くなった男性介護士さんのご冥福をお祈りいたします。
来世では今度こそ現世で幸せになれますように・・・