※この記事を最初に書いたのは2017年です
この記事の主な使用画像出典 ©集英社
こんにちは。葵山優一です。
先日、ジャンプ復刻版第一弾なるものを購入しました。
ジャンプ復刻版 第一弾(創刊号・最大発行部数号セット)
2017年7月15日発売
第二弾 8月12日発売 第三弾 9月16日発売
とても、懐かしかったです・・・。
今回はこれを機に、ジャンプ黄金期について話そうと思います。
※今回は特に葵山優一の個人的感想が多く含まれます。ご了承ください。
ジャンプ黄金期について
恐らく僕と同じ、多くの30代以上の人は、少年時にジャンプ黄金期を経験してきたと思います。
ジャンプ黄金期とは、簡単に説明すると、北斗の拳連載開始(1983年)からドラゴンボール連載終了(1995年)までの事をいいます。
人によって多少前後しますが・・・
(スラムダンクが終わった97年までとか)
1983~97年のジャンプ大人気作品を抜粋するとこんな感じです。
・北斗の拳
・キン肉マン
・ドラゴンボール
・スラムダンク
・ジョジョの奇妙な冒険
・ダイの大冒険
・電影少女
・タルるートくん
・新ジャングルの王者ターちゃん
・幽遊白書
・魁!男塾
・聖闘士星矢
・ろくでなしブルース
・BOY
・地獄先生ぬ~べ~
・忍空
(あくまで例です。お気に入りの作品が入ってなかったらすみません)
ご覧のとおり、今でも名が残っているジャンプの名作品が集中して連載していた時代です。
上記の作品はほとんどが5年以上連載し、毎週次の話を楽しみにさせてくれました。
当時の少年たちに「月曜日はジャンプの日!」と印象付けました。
当時はネットなどがなかったので、若者にとってジャンプとファミコンこそが最大の友と言えたのではないかと思います。
ジャンプ争奪戦
僕は東京住まいなのでそういう経験は記憶にありませんが、田舎に住んでいた親戚に聞いた話ですと田舎は入荷が少ないのでいかに学校が終わってから本屋に早く行けるかが勝負だったそうです。
中にはジャンプの為に月曜午前中は休む生徒もいたそうです。
(どこのプロゴルファーだ)
当時、田舎のほうはコンビニがそんなになかったそうなので、本屋が開く10時頃に学校を抜け出して買いに行き、ドラゴンボールだけ読んでカバンにしまっておくというケースも見られたそうです。
というか、月曜日を逃したらジャンプを買えないこともあったそうです。
「ジャンプを読まねば男にあらず!」
「ドラゴンボールを知らなければ少年にあらず!」
あながち冗談ではない時代でした・・・
1983年より、毎年売り上げを伸ばしつづけ、最高売り上げ記録は1995年 3‐4号。(上記の復刻版)
653万部です!
これはギネスに認定され、この記録はいまだに破られておりません。
※2017年 8月現在
この辺についての話は後述。
第2黄金期到来
1995年、ドラゴンボールが終了し、翌年より徐々に売り上げが落ちていきました。
1998年のあたりでマガジンに抜かれ、1973年以降続いた王者の座を奪われてしまいました。
しかし、1997年以降はワンピースを中心に、いわゆる
第二黄金期
が頑張りました!
1997年以降 第二黄金期作品 一例(タイトル簡略化)
・ワンピース
・るろうに剣心
・封神演義
・NARUTO
・遊戯王
・テニスの王子様
・ブリーチ
・銀魂
・デスノート
・トリコ
・アイシールド21
・ボボボーボ・ボーボボ
・いちご100%
・シャーマンキング
特にワンピースと遊戯王の人気が凄まじく、2002年にはマガジンから首位を取り戻しました。
しかし、2010年にはこれらのほとんどが終わり、ワンピースの一強という時代が続きます。
※マガジンも金田一、GTOなどが終わり、部数が年々落ち始めます。
全体的な部数が半減しましたが、再びジャンプの天下です。
ブリーチ、トリコ、銀魂などが人気作でしたが、正直 全盛期であるドラゴンボールやスラムダンクほどのパワーのある作品はワンピースだけでした。
しかし、ワンピースが休載されるとその号だけ売り上げが落ちるなど、黄金期では考えられない現象が起き始めました。
2017年現在では40年続いたこち亀も終わり、トリコ、ブリーチ、ニセコイ、暗殺教室など人気作品が一気に終了してしまい、とうとう200万部を切りそうです。
それでも他の週刊誌より頭ふたつみっつ飛びぬけているのは、20年間ジャンプを支えてくれたワンピースのおかげとも言えますね・・・。
黄金時代というよりも
ワンピース時代といったほうがいいかもしれません・・・
ワンピースが終わったらマジでジャンプどうなるんだろう・・・。
アンケート至上主義
なぜここまで衰退してしまったのか。
一番の理由は、やはりアンケートでしょうか・・・。
ジャンプのアンケートというのは、毎週のジャンプの連載作品の中から特に面白かった作品を3つ選んで教えてくださいというものです。
最近はよくわかりませんが、黄金期当時は送れば何かしらもらえる事が多かったので、僕は毎週のように送ってました。
ドラゴンボール、男塾、幽遊白書、ターちゃんなどをよく書いてました。
スーファミソフト1本とテレホンカード何枚かもらった記憶があります。
そして、黄金期のジャンプはアンケートの人気が悪ければ
簡単に打ち切りになります。
たとえ前作で大ヒットを飛ばしていた大御所作家でも、アンケートが悪ければ10周で打ち切りになるという、今では考えられない事が普通に起きていました。
人気作家による打ち切り作品 例
・瑪羅門の家族 BAKUDAN(宮下あきら)
・サイレントナイト翔(車田正美)
・水のともだちカッパーマン Wrestling with もも子(徳弘 正也)
・ぼくは少年探偵ダン♪♪ バカバカしいの!(ガモウひろし)
・木洩れ陽の下で・・・ RASH!!(北条司)
・LIVE(梅澤春人)
・Ultra Red(鈴木央)
当時はまだ、ネットなどの情報網などがなかったので、人気のあるなしはよくわからず読んでいました。
アンケートで掲載の順番が決まるとか聞いたのはずっと後でしたね。
なので、何の脈絡もなく突然連載が終了した作品にはとてもショックを受けたことを覚えています。
瑪羅門の家族やサイレントナイト翔など、作品の質が非常に高く、今後が楽しみな作品だったのに、打ち切りのため中途半端に終わってしまいました。
個人的に大好きな作家さんの作品でしたので、当時はマジで残念でした。
特に瑪羅門・・・
いよいよ決戦というときに・・・
うぉおおおおおい!
ここからだろうがよぉ!
孔雀院一馬との決着はよぉぉぉぉ!
ってかバァさん何者だよぉぉぉ!?
マジ泣きしたことを覚えています・・・。
サイレントナイト翔は、これだけの敵を用意し、連載中に様々な伏線を残したのに・・・(シスターとか矢とか)
わずか13週で打ち切りに!
中級ナイト以上のまだ見ぬ強敵達が可哀そすぎです!
主人公の翔が自分の力に目覚めて強くなり始め、新たな仲間が登場して面白くなってきた時のいきなりの終了でした。
話の途中でページをめくったらいきなり終わってました・・・
わかりますか? この何とも言えない喪失感・・・
聖闘士星矢好きだった僕には毎週すっごい楽しみしてたんですが・・・
続けていれば、もしかしたら聖闘士星矢を超える作品になったかもしれないのに・・・
ジャンプ巻末の車田先生の最後のお言葉
「………………………………Good bye。」
長い間ジャンプにいたのにこれだけ。
・・・お怒りが伺えます。
(それ以降車田先生はジャンプに姿を見せません。チャンピオンで聖闘士星矢続けてます)
このように雑誌自体、連載してすぐに結果を出さなければ生き残れない風習になり、それに合わない作家さん達がジャンプを去っていってしまいました・・・。
そしてその風習は、2000年代中頃まで続きました。
2003年は特に打ち切りが多く、2巻以上出た作品は武装錬金だけでした。
さすが和月先生・・・でも一応打ち切りは覚悟してたみたいです。
(蝶野戦決着で伏線を回収し、いったん占めてました)
「ジャンプは作家を使い捨てすぎる!」という問題が出たこともあるそうです。
(編集をやっているマンガの専門学校の先生が言ってました)
ライジングインパクトの鈴木先生など、ジャンプの作家に対する扱いの酷さからとうとうブチ切れ、ウルトラレッドの最終話に「BYE BYE JUMP」とモブキャラのTシャツに描いて集英社から去りました。
以前「バクマン。」の福田君が連載中に色々と不満を出してましたが・・・
文章が多いので要約しますと
・アンケート結果で打ち切りマンガが決まるのが納得いかない
・編集部に面白いマンガを見極める能力がない
・面白くないと打ち切られるので最初から面白くしないといけない
・なのでみんな同じ感じのマンガになってしまう
・せめてコミックスの売り上げで判断して欲しい
・でもそれを全部やったら雑誌がなりたたない(編集者側)
これって大場先生のジャンプに対する不満をぶつけてるようにも思えましたね。
でも確かに編集側が言うように、雑誌側にも色々と都合がありますし・・・
難しいんですね・・・。
最近ではネットで生の読者の声が聞けるようになり、10周打ち切りは減りましたが、やはり昔ほどの勢いはありません・・・
今後、ワンピースが頑張っているうちに、多くの大型新人が現れてくれることを期待しましょう!
てか実際、今ワンピースが終わったらジャンプはマジでどうなってしまうのやら・・・
現状、ワンピースのコミックスが年に何巻出るかで集英社の決算の数字が変わるというほどだそうです。
それどころかここ数年で人気作が軒並み終了してしまったので、コミックスの売り上げが・・・・(今後新刊が出ないので)
つまり、尾田先生が休めば休むほど、集英社の財布にダメージがいくワケで・・・
つかマジホントに、今のジャンプは尾田先生の力で持っていると言っても過言ではありませんね・・・
このままじゃ絶対いけないと思います!
マジで
かむばぁーーっく!
黄金期ぃーーー!!!!
と叫びたいですね。
黄金の因子
先ほども説明しましたが、黄金期での売り上げは1990年以降600万を超え、最高部数は653万部です。
653万部というのがいかにすごい数字か、考えてみましょう。
まず、当時の日本の人口が1億として・・・
1億÷653万=15.3139
だいたい15人に一人は購入している計算です。
そして、その中から5歳以下の幼児や60歳以上の高齢者を除けば(中には買って読んでる人もいるでしょうけど・・・)さらに絞り込まれます。
集英社独自の計算によると、20歳以下の4人に一人は買っている計算になるとか。
そこからさらに 買ってなくても友達に借りたり、床屋や定食屋などで見た人もいるでしょうから・・・
果たして今の30代~40代はどれだけジャンプを見ていたことやら・・・
つまり、僕が言いたいのは、今の世の30代のほぼすべてがジャンプ見ていたという事です!
ドラゴンボールやスラムダンク、幽遊白書を毎週楽しみにしていた時代があったはずです!
大人になり、マンガを卒業したと言っても、30代の中には確実にジャンプの黄金の因子が眠っているはずです!
是非とも自分の子供達にジャンプ黄金期の素晴らしさを教えてあげてください!
「マンガは悪」
「マンガを読むと馬鹿になる」
「マンガは教育に悪い」
そんな間違った価値観を持った僕らより上の世代は
もうじき いなくなります!
そしてこれからのマンガ界を支えていくのは
黄金世代を見てきた親から生まれてくる
子供たちです!
その黄金の因子達が、いつかドラゴンボールやワンピースを超える作品を生み出してくれると思います!
そして再び、黄金期を復活させてくれるかもしれません!
マンガ界の未来は明るいと思います!
葵山優一はマンガ界の未来を楽しみにしております!
そしてこの僕も、マンガ描きの端くれとして、世に残る作品を一本くらいは描き上げたいと思っております!
以上、ジャンプ黄金期についてでした。
長文、ご視聴ありがとうございました。