※当時の写真です(右が当時高校生の僕です)
どうも。葵山優一です。
前回の続きです。
1999年8月に起きた遊戯王東京ドーム事件
当時その場にいた者として、その日あったことをそのまま話そうと思います。
一般公開されていない情報なので、信じるかどうかはあなた次第です。
まず、これが世間一般的に知られている概要です。
↓
後日、コナミのリリースでは
「予想を上回る参加者来場の為,大変混乱し入場出来なかった方,遊戯王カードを入手出来なかった方が多数おられた事については深くお詫び申し上げます。」(ジャンプに掲載されたリリース原文のまま)
そして入場者には「後日ジャンプにて通信販売いたします」
と、されています。
賢い人ならある「矛盾」に気づきますよね?
というか、リリース文でおかしいと思いませんか?
予想を上回ると言っていますが、誰が何パック買うかもわからないのにそんなことがわかるはずがありません。
もしそうなら、とりあえず売ってみて、なくなったら「完売しました 後日ジャンプで再販いたします」が普通の流れですよね?
まだまだ在庫があるのに、わざわざ販売を中止しています。
大会側の発表では
「今回のイベントおよび限定カード販売中止について,会場の混雑に伴う危険が予想されたため中止した」
ですが逆に、中止したために混乱や危険が起きました。
それに、イベント(大会)を中止にする理由にもなっていません。
販売中止と大会中止を聞いて、まずキレたのが僕ら大会参加者です。
新聞ではただのイベントと書かれていますが、僕らにとっては勝ち進んだ大会を何の説明もなしに中止にされたことに頭に来ました。
最後まで会場に残ったのも、我々大会参加者でした。
大会主催者側も、さすがに何の説明もなしに大会を中止にしたのはまずいと思ったのか、というか12時近くになっても帰らない我々に根負けしたのか・・・
残った出場者には説明してくれました。
事の発端の始めは、マスクを被った男の暴言から始まったそうです。
実は、プレミアムパックは最初少し売られていたそうです。
でもすぐに販売中止になったそうです。
まず、売り場が一か所しかなく、そこに大人数が殺到したため、対処が不可能になったそうです。
客も「なんで売り場がひとつしかないんだ!」など不満を訴えたそうです。
そこで、販売側であるマスクを被った男がキレ気味に
「プレミアムパックの販売は中止だ!」と叫んだところ、暴動が起きたそうです。
怪我人も結構出たみたいです。
何しろ4万人ですから、ちょっと詰め寄るだけで大事故です。
救急車も来てました。
そこで一旦、イベントがストップしました。
なので僕ら大会出場者はワケのわからないままステージ上で待たされることになりました。
およそ4時間近く・・・。
主催者側がどうするかを4時間にわたり論議。
結果、ジャンプでの再販、及び時間的な都合から大会の中止の決定が決まりました。
その結論が出るまで、僕らは待ちぼうけです。
東京ドームで4万人が4時間待ちぼうけです!
(このことは新聞には書かれませんでした)
ステージ上はまだよかったですが、スタンドや通路は人でごった返していたことでしょう。
暑かったし、体調を崩して救急車で運ばれた人もいました。
そして発表された大会中止、販売中止、及びジャンプでの再販の発表。
そして「お帰り下さい」
ここからがまさに 真の暴動でした。
つまりあの日、暴動は2回起こったわけです。
1度目は14時ごろ、マスク男の販売中止発言。
そして2度目は、さんざん待たせたあげくの大会、販売中止宣言のあと・・・
そこからは地獄絵図でした・・・
当時、そこにいた者だけが感じられる、恐ろしい空気でした。
ドーム内で数千人にわたる、スタッフに対する馬頭が飛び交いました。
スタッフに殴り掛かり、警察に取り押さえられる人もいました。
警察も、「明日は野球の試合がある」「帰らないとなんとかの罪で逮捕する」だの言っていましたが、ほぼ誰もビビらず、火に油状態でした。
特に大阪のおばちゃんらしき軍団の勢いは凄かったです。
てゆーか、怖かったです・・・
新聞に「午後2時ごろ販売し、そのあと販売中止を決めた」「同日夜になってもドーム内に7千人が残り、講義を続けた」とありますが。
実際は 待たせに待たせ、ストレスをためさせらてた4万人の怒りが爆発したワケです。
本当に暴動が起きたのは夕方以降です。
当然、待たされまくった現場にいた人たちは簡単には収まりません。
何しろこのイベントのために北海道やら九州やらから来た人もいましたし。
前日から泊まり込みで来てる人もいました。
それで散々待たされたあげくのいきなり
「販売はいたしません お帰り下さい」ですから・・・
あと、大会に真剣に臨んだ人たちの気持ちはどうなるのか・・・
何しろ最初、4時間待たせたあげく、なんの説明もなしにいきなり中止でしたから・・・
そりゃみんな怒ります。
最終的には、残った人間に優先的に真実を説明する事とカードが支給される事になり、カタが付きました。
結局、家に帰ったのが深夜12時ごろでした。
そして次の日、新聞の一面に載りました。
新聞では「カード販売が中止になったから暴動が起きた」としか書かれていないので、一般人からしてみれば「そんな事でなにやってんだか・・・」って事に見えるでしょう。
新聞をみた担任教師が言いました。
「ゲームごときでなんでキレるかねぇ」
妹も「一般人に迷惑かけないでほしい」
と、まるで我々が悪いかのようにとらえています。
実際、興味のない一般人から見れば、カードゲーム自体理解できないでしょう。
1枚何千円もするカードの世界など到底理解できないでしょうね。
ただオタクがキレただけ。
そう思わせるに十分な書き方でした。
大会側のほうも、販売スペースを多くするとか、事前に販売方法を通達するとかいろいろ手の打ちようはあったと思います。
何より4時間以上もかけて大会中止と販売中止を決めてしまったことが、何よりの悪手だったと思います。
少なくともカードだけは売るべきでしたね。
そうすれば少なくとも、暴動は避けられたと思います。
キレた覆面男。
4万人を4時間近く待たせた末の結論。
結果、暴動。
しかし、その事には一切新聞では触れてません・・・。
大会側(コナミ)の落ち度について、一切触れていません。
新聞を見た人は、「なんでカードくらいでキレるかなー」と思うでしょう。
メディア操作の恐ろしさですね・・・。
以上が僕の経験した1999年8月、東京ドームで起こった遊戯王大会の一連です。
新聞にはカードを売らなかったから暴動が起きたとありますが、僕の感覚だと長時間待たされた怒りが爆発した、といった感じでしたね。
4時間待たされたあげく、大会を中止にされた。
4時間待たされたあげく、カードを売らなかった。
そう考えてみれば、新聞の記事も少しは違った見方ができるのではないでしょうか?
暴動の起こった真の意味が見えてくるのではないでしょうか?
この暴動は、起こるべくして起こったという事だと今でも思っています。
長くなりましたが、以上でとりあえず遊戯王の話は終わります。
今後も遊戯王は続けていくと思うので、また書くことがあればよろしくお願いします。
自称デュエリスト、葵山優一でした。
どうもありがとうございました。