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不可思議堂奇譚について

この記事の主な使用画像出典 ©不可思議堂奇譚 えんどコイチ

こんにちは。葵山優一です。

今回はえんどコイチ先生の

不可思議堂奇譚について紹介します。

ジャンル:少年マンガ・ヒューマンドラマ系
作者:えんどコイチ
出版社:集英社
掲載:週刊少年ジャンプ 1994年 30号~39号
コミックス 全1巻

作品紹介

死神君やついでにとんちんかんで有名なえんどコイチ先生のシリアスな短編が主体の作品です。

夢や希望を失った人だけが入れるという「不可思議堂」。
その店で勧められた不思議なアイテムを使えば、人生を変える事ができるという・・・

完全な一話完結型で主人公は毎回変わり、不可思議堂を訪ねてアイテムを購入します。

友情、裏切り、家族愛など人間関係が特にテーマに置かれており、前作のついでにとんちんかんとはまるで違う作風となっており、ファンを驚かせました。

残念ながら短期で終わってしまいましたが、作品そのものは非常に面白く、「別の雑誌でやればもっと人気が出た」という意見が多かったみたいです。

思い出と感想

ついでにとんちんかん終了から約5年、この作品の読み切りがジャンプに乗った時、えんどコイチ先生が帰ってきた! と、とても嬉しく思いました。

しかし、全然ギャグとかではなく、むしろまるで真逆のシリアスなドラマだったので驚きました。

20年以上前なのでちょっと記憶があやふやなんですが・・・
この作品の前身となる、たしか「嘘つきスプレー」というアイテムを使った話が読切でありました。

不可思議堂みたいな店と若い怪しげな店主が出てきた気がします。

ただ、すっごい面白かったことは覚えています!

それまではえんどコイチ先生はギャグのスペシャリストとしか思ってませんでしたが、死神君や他の作品をみて、さながら藤子不二雄のようなヒューマンドラマもすごい!という事がわかりました。

この作品も、今コミックスを読み返してみてもすごい面白いです。

むしろ大人になれば面白さがさらに理解できるという感じです。

なので、なおの事この作品がジャンプで早期打ち切りになってしまった理由もわかります。

まず、当時のジャンプは600万部越えの黄金期真っ只中。
例によって不可思議堂の始まったラインナップを載せます。

週刊少年ジャンプ1994年30号

・不可思議堂奇譚:えんどコイチ:新連載
・ドラゴンボール:鳥山明
・SLAM DUNK:井上雄彦
・キャプテン翼 PRINCIPE DEL SOLE 太陽王子:高橋陽一
・ボンボン坂高校演劇部:高橋ゆたか
・まんゆうき -ばばあとあわれなげぼくたち-:漫☆画太郎
・BOY:梅澤春人
・幽遊白書:冨樫義博
・こちら葛飾区亀有公園前派出所:秋本治
・地獄戦士 魔王:苅部誠
・とっても!ラッキーマン:ガモウひろし
・ろくでなしBLUES:森田まさのり
・地獄先生ぬ~べ~:真倉翔・岡野剛
・DRAGON QUEST ダイの大冒険:堀井雄二・三条陸・稲田浩司
・るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-:和月伸宏
・ジョジョの奇妙な冒険:荒木飛呂彦
・新ジャングルの王者ターちゃん:徳弘正也
・影武者 徳川家康:隆慶一郎・曾川昇・原哲夫
・NINKU -忍空-:桐山光侍
・王様はロバ -はったり帝国の逆襲-:なにわ小吉

ちなみに
ドラゴンボールは悟飯vsセル戦
スラムダンクは海南戦
幽遊白書は仙水戦

3大マンガが一番盛り上がっている時とも言えますね。

これが翌年の最高の653万部に繋がったと言えますが・・・

バトルマンガが多い中、あまりにも作風が合わないこの作品がアンケート票を取れなかったのは致し方ありません。

だってほとんどの人が
上の三つに入れますからね!

対抗馬がダイの大冒険くらいしかない気がします・・・。

次に、やはりえんどコイチ先生のイメージ。

ついでにとんちんかんがあまりにも大きく、ギャグを期待していたファンを裏切る形になってしまったと本人も言っておりました。

「ギャグマンガじゃないから見ない」という読者もいたと思います。
友達にもいましたし・・・

少年誌ですから仕方ありませんが、せめて見てほしいと思いましたね。

よくみれば、すっごい面白いのに・・・

ついでにヒロインも 少々酷かった・・・

この作品が始まったのはアウターゾーンが終わってすぐなので、どうしてもこういう話は引き合いに出されます。

謎めいた女性、ミザリィはものすごく魅力的なキャラでした。

画像出典 Amazonより

ミザリィに対し、今回のヒロイン的存在は・・・

・・・

失礼 間違えました。

お穣 年齢16歳(自称)

酒、タバコ、スポーツ新聞を好む。
身体もデカいし態度もデカいしメガネもデカい。
ついでに眉毛も太い。

コイチ先生曰く、女性のマイナス面を集めたキャラクターだとか・・・

・・・もうこれは、ヒロインという概念を諦めてるとしか思えません。

作品で勝負! という事でしょうか・・・。

でもまあフォローとして

穣は一応、最終話でツンデレますが・・・

あと、ページ数。

この手のマンガはじっくり時間をかけて読ませるものなので、1話のページが少ない当時のジャンプでは表現に限りがあった事でしょう。

大体16ページから20ページくらいでしたし。

今読み返してみると、1話を除いて結構急ぎ足だったことが感じられます。

これは正直、致命的だと思います。

バトルマンガならともかく、こういうヒューマンドラマ的な話で色々削ってしまうと、よく読まない読者が話しについてこられなくなってしまうんですよね・・・

ましてや読者の多くは少年なワケですから・・・

と、いうワケで、色んな意味で当時のジャンプに合わなかったと言えます。

青年誌向きだったと思わざるを得ません。

とまあ、商業的にはそうなんですが・・・

個人的にはジャンプで、多くの少年にこの作品を読んでもらいたかったと僕は思います!

1話の孤児院の話なんか、最後すっごい感動できますし。

個人的には「身代わり地蔵」「苦労のお守り」など、是非とも少年に見せてあげたいです。

家族愛や友情が伝わる素晴らしい作品でした。

1巻ですが、非常に濃厚な質の高い作品だと思います。
是非ともおススメします!

アマゾンなどで買えますし、DLサイトでも400円で読めます。

是非ご覧ください。 ホントに面白いですよ!

以上、不可思議堂奇譚についてでした。

どうもありがとうございました。

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