こんにちは。葵山優一です。
今回はジャンプの希少な探偵マンガ
人形草紙あやつり左近について紹介します。
作品紹介
1995年にジャンプで掲載された推理マンガです。
主人公「橘 左近」は腹話術士で人形の「右近」を使い、自らの思考を2分して天才的な洞察力とひらめきを使って殺人事件などを解決していきます。
右近の描写があまりにも人間に近く、あたかもコンビで事件に取り組むような感じで話は進みますが、実際は左近の一人芝居です。
長編は特になく、長くても4,5話で終わる話がメインで非常にわかりやすい作りになっています。
原作は写楽麿 本名 宮崎まさる
複数のペンネームを持ち、様々なマンガの原作者を努める大ベテランです。
そして作画はご存じ小畑健先生
後にデスノート、バクマン、ヒカルの碁など様々な大ブレイク作品の作画を努めます。
この頃から超美麗な絵で、画力だけなら掲載作家の中でナンバーワンとさえ言われていました。
今尚、小畑先生の代表作のひとつに上げられるほどの作品です。
当時は金田一やコナンなど他社の探偵物が大ヒットし、さらには黄金期真っ只中であったため、残念ながら短期で終了してしまいましたが、終了後も人気があり、アニメ化、ドラマCD化、文庫化、さらにはコンビニコミックスとしても発行されるという異例の作品です。
思い出と感想
僕の場合、当時は金田一は知らなく、コナンも始まったばかりだったので、探偵物として思い出深いのはこの作品です。
腹話術というものがよくわかっておらず、てっきり右近と左近は別キャラだと思って読んでいた時期もありました・・・
本来ならコナンや金田一と並ぶ名推理マンガになってもおかしくなかったですが・・・
これもまた 黄金期の犠牲となった作品のひとつです。
何しろ1995年は黄金期の中でも特に最高潮、653万部を売り上げた年でもありましたからね。
あやつり左近が連載開始された
1995年 週刊少年ジャンプ 23号ラインナップ
・人形草紙 あやつり左近:写楽鷹・小畑健:新連載
・ドラゴンボール:鳥山明
・猛き龍星:原哲夫
・SLAM DUNK:井上雄彦
・ジョジョの奇妙な冒険:荒木飛呂彦
・こちら葛飾区亀有公園前派出所:秋本治
・みどりのマキバオー:つの丸
・密リターンズ!:八神健
・とっても!ラッキーマン:ガモウひろし
・DRAGON QUEST ダイの大冒険:堀井雄二・三条陸・稲田浩司
・るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-:和月伸宏
・ボンボン坂高校演劇部:高橋ゆたか
・BOY:梅澤春人
・地獄先生ぬ~べ~:真倉翔・岡野剛
・元気やでっ:土屋守・次原隆二・山本純二
・キャプテン翼 ワールドユース編:高橋陽一
・陣内流柔術武闘伝 真島クンすっとばす!!:にわのまこと
・MIND ASSASSIN:かずはじめ
・ろくでなしBLUES:森田まさのり
・王様はロバ -はったり帝国の逆襲-:なにわ小吉
まさに群雄割拠の戦国時代でした。
なにげに原哲夫先生までおるし。
見て分かる通り、当時のジャンプはバトル物が多かったため探偵物には票が集まりにくかったんでしょうか・・・
しかしまさかそれが衰退につながるとは・・・。
1997年はちょうど金田一やコナンなど、探偵マンガが勢いをつけてきた頃だったのでドラゴンボールやスラムダンクが終わったら一気に抜かれてしまいました。
このあやつり左近が残っていたらどうなっていたかわかりません。
1999年に異例のアニメ化をしたのも他社の探偵物に対抗するためだったのかもしれませんね。
もう一度あやつり左近を始めるという話もあったみたいですが、その頃は小畑先生、ヒカルの碁を描いてましたし・・・
もしやつり左近が打ち切りにならず、20年くらい続いていたら・・・
間違いなく金田一、コナンと並ぶ、マンガ界3大名探偵の一人として数えられたと葵山優一は思います!
アニメについて
アニメのあやつり左近は特に面白かったです!
声優も左近は緒方恵美、右近はくまいもとこという非常にマッチした声優で、オリジナル話も多くてとても見ごたえがありました。
ただ・・・
当時はVHSでしたが、収録のやり方については正直、悪意を感じましたね・・・
例えば金田一とかは、○○殺人事件などでくくられ、ビデオ一本で頭から終わりまで見れます。
しかし、ビデオのあやつり左近は
だいたいの話は全部で3話なんですが(3話目で犯人がわかる)
ビデオ1巻「廃校の復讐鬼」1話、2話収録
ビデオ2巻「廃校の復讐鬼」3話収録(解決編)「豆州弐面鬼傀儡地獄」1~3話
ビデオ3巻「豆州弐面鬼傀儡地獄」解決編収録 そして次の事件・・・
以降繰り返し・・・
このように、
解決編だけを次巻に回す
という
現代ならおもいっきしパッシングを浴びそうな収録の仕方でした。
1巻だけ何故か2話しか乗ってないのが何よりおかしい・・・
まぁ、全部見るつもりのファンには関係のない事なんですけどね。
いずれにしろこれは名作だと思います!
シナリオがいい! 画力も高い!
単行本も少ないし、見やすと思うので是非ともおススメします。
葵山優一はあやつり左近こそジャンプ最強の正統派推理マンガだと思っています!
以上、人形草紙あやつり左近についてでした。
どうもありがとうございました。