この記事の主な使用画像出典 ©ノノノノ 岡本倫
こんにちは。葵山優一です。
今回はマンガ界でも珍しい、
スキージャンプをテーマにした作品
ノノノノについて紹介します。
作品紹介
ヤングジャンプにて2007年より連載開始された岡本倫先生のスキージャンプを題材にした作品です。
前作、エルフェンリートとは打って変わって正統派スポーツで、多少の特殊能力はありますが、人が死んだり殺したりとかはほとんどありません。
(殺そうとする描写は多いですが)
内容が非常に複雑で、いろんな人の観点から語られたりするので説明が困難なので、とりあえず主人公であるノノの視点であらすじを簡単に説明しますと
主人公、ノノの父親はスキージャンプで金メダル候補として期待されていましたが、オリンピックでジャンプを失敗し、夢破れました。
その夢を子供のノノの双子の兄、悠太に受け継いでもらおうと、日々ジャンプの訓練をしていました。
しかし、不幸にもジャンプの才能は悠太ではなく、妹のノノのほうに受け継がれていました。
女はオリンピックスキージャンプに出場できないため、父は苦悩し、やさぐれていきました。
悠太は父の夢のため、自分に代わってオリンピックに出場して金メダルを取ってほしいとノノに頼み、炎の中で自らの命を絶ちます。
これによって戸籍上はノノが死んだ事になり、悠太が生きている事になりました。
そしてノノは悠太になりすまし、2年後のオリンピックに出場するため、奥信高校に男子高校生として入学します。
スキージャンプという、ほとんど一般的ではないスポーツを題材にしているので説明が非常に多く、また、現実でも当時はスキージャンプに女性は認められていませんでしたが連載中の間に事情が変わったり、他にもルールが多少なりとも変更したりと非常に作家の苦労が見られる作品です。
※さらに詳しく知りたい場合、Wikipediaか、オリンピックスキージャンプのサイトなどで確認してください。
なお、終了時には突然だったためか非常に衝撃的なラストで終わってしまいました。
※ノノが転倒し、ユニフォームが敗れ胸が露出して正体が露見しした所で終了。
しかしコミックではそれらは夢扱いされており、オリンピック代表に選ばれて終了という展開に修正されています。
アニメ化はされていませんが、VOMICよりラジオドラマが4本配信されました。
ノノの声は能登麻美子さんでした。
とてもよかったですねぇ・・・
思い出と感想
岡本先生は、僕にとって「好きなマンガ家ベスト5」に入ります。
スキージャンプマンガというのはほとんど聞いたことがありませんので、間違いなく業界ナンバーワンスキージャンプマンガと言ってもいいでしょう。
スキージャンプのマンガ・・・
一応高橋先生の100メートルジャンパーというのもあるんですが・・・。
一体何人が知っていますかね・・・
前作、エルフェンリートにメッチャハマったので、今回もすっごく楽しみでしたが、題材がスキージャンプで今回は正当なスポーツマンガというフレコミだったので、正直あまり期待薄だったんですが・・・
第一話でこのコマ見た瞬間、その考えは吹き飛びました。
岡本先生自体がファンの間でもグロマンガが得意というイメージが強いので、これからどんなグロ展開になっていくのかと思いきや・・・
なんか、違うベクトルでエゲつなかったですね。
人間の光と闇の部分をメッチャ上手く表現していました。
特に印象に強いのがこの3シーン
ツンデレ獅子舞少女
落ち込んでいるノノの元に、コオロギさんがなぜか獅子舞の格好でやってきました。
そのままノノを励まします。
「1人じゃ無理でも二人で協力すればできるかもしれない」
「このししまいと一緒よ」
・・・・・
そうですね・・・
言ってる意味はよく分かりませんが・・・
とにかくすっげー納得してしまいました!
ツンデレヒロイン、コオロギさん。
ブス専女たらし
全日本代表 槇野 慎二さん。
すっげーモテます。でも女癖が悪いとの評判・・・
「ブサイクなほうは回れ右して帰れ」
スポーツ選手としては最低の対応です。
ですが・・・
なんかすっごいいいこと言ってるみたいに見えるけど・・・
どっちにしろ最低の対応には変わりません。
まぁ、イケメンに捨てられる経験ができるブスはある意味幸せかもしれませんが・・・
夢 叶わず
青鹿学園高校スキー部のコーチ。火野さん
岡本先生の作品にふさわしい
すがすがしいまでの外道です。
全部話すと長いので、要所だけピックアップします。
・ライバル学校のコーチで、昨年は成績が振るわず、今回結果を出さないとクビになります。
・しかも部の資金を横領しているので、相当追い詰められています。
・ノノ達の学校に勝つため、エース尻屋のスキー板に細工をし、転倒させます。
・しかし、ノノの活躍により敗北し、さらには横領と細工がバレばれてクビになり、ノノに逆恨みします。
とまぁ、普通のスポーツ系のマンガでは、ここまではよくある話なんですが・・・
岡本先生はここからが本領発揮です!
・地区大会にて落ちぶれて再登場。憎いノノにナイフ持って襲い掛かろうとした際にノノの着替えを目撃。正体が女だという事を知ります。
・インターハイ出場を決めた数日後、ノノの前に現れ、脅迫します。
・ノノを部屋に連れ込み、ぐへへ展開になりかけましたが、ノノの正体を知っているチームメイト、岸谷に邪魔されます。
・色々あって岸谷を刺し、警察に捕まり実刑となりました。(岸谷は生きてます)
・しかし2年後のオリンピックまでに釈放されることを知り、ノノへの報復を諦めませんでした。
とま、あ このようにとても清々しいほどのクズ野郎なんですが・・・
同情できる点がひとつあります。
作品が途中で打ち切り終了してしまったため、この後一切 火野の出番はありませんでした!
おそらく岡本先生的にはオリンピック前にもう一山・・・と、考えていたんでしょうけど・・・。
あと、この話で各方面からパッシングが来たそうですが、終了した後この件でさらにパッシングが来たと思います・・・。
この作品において、いろんな意味で最も期待されていたのは、ある意味この男だったのかもしれませんね。
夢 叶わず
岡本先生 マジ神
岡本先生のマンガはホントに面白いっす!
ぶっちゃけスキージャンプという題材は、あまり関係ない気がします。
岡本先生が描けばたとえ題材がゲートボールだろうとだるまさんがころんだだろうとすっごく面白いマンガになると思います!
バキの板垣先生が言っていました。
「人間を描くのが一番難しい。どんなマンガを描くにしろ、人間を描くことになる」
岡本先生は、とにかく「人間」を描くのがものすごく上手いと思います。
だからこそマンガがメッチャ面白いんだと思います!
葵山優一は岡本先生の作品をこれからもずっと見続けたいと思っています!
以上、ノノノノについてでした。
どうもありがとうございました。