ジャンプ

山下たろーくんについて

この記事の主な使用画像出典 ©県立海空高校野球部員山下たろーくん こせきこうじ

こんにちは。葵山優一です。

今回紹介するのは、かつてジャンプ史上最高の野球マンガと言われた

県立海空高校野球部員

山下たろーくんです!

ジャンル:少年マンガ・スポーツ系 野球
作者:こせきこうじ
出版社:集英社
掲載:週刊少年ジャンプ 1986~1990年
コミックス 全21巻

作品紹介

1986年よりジャンプで掲載されていたこせきこうじ先生を代表する本格的高校野球マンガです。

あらすじを簡単に説明しますと

主人公、山下タローは史上最低の野球部員と呼ばれ、野球部はもちろん学校中でいじめにあっていました。

今では絶対問題になる発言の数々

タローの所属する海空野球部は毎回1回戦コールド負けの弱小高でしたが、この年だけは同じ地区の強豪校、山沼高校の勘違いや野球に詳しい新開の入部などが加わり、単純な野球部員はやる気をだし、さらにはタローの情熱に触発され、怒涛の勢いで大会に臨むのでした。

万年一回戦負けの弱小高校が数々の名門高校を打ち破り、最後には優勝してしまうというストーリーを最後まで描き切っています。

野球マンガの中では非常に珍しく、作中はほとんど野球の試合しかしていません。

学校の授業風景や登場人物の私生活、休日に遊びに行ったり合宿なども一切なく、試合と試合の間も1~3話と短めで作中のほとんどが試合風景となっています。
しかし、時たま重要キャラの過去回想が出てきます。

時代のせいか、ベンチで監督のみで野球部長(責任教師)がいない。時たま1,3塁のコーチャーがいない。規定のボールを使わない。さらには気合を入れるためナイン全員を殴って回るなど、高校野球ルールに反した描写も多く見られます。

アニメは1988年にジャンプアニメカーニバルで製作され、VHSで一作だけ存在しますが、現在では見る事は非常に困難です。

キャスト
山下たろー:丸山裕子
辰巳:玄田哲章
吉田:田中真弓
北野:江原正士
高倉:島田敏
新開:矢尾一樹
岡村:安西正弘
須永:佐々木望
田中:関俊彦

余談ですが、ジョジョの奇妙な冒険の荒木先生が「最も影響を受けた作品」だそうです。

岸辺露伴の尊敬するマンガ家がこせきこうじだったり、辰巳の家に吸血鬼の石仮面があったりします。

辰巳、人間辞める気だったんでしょうか・・・(笑)

思い出と感想

ジャンプは80年代から見ていましたが、この作品の記憶は全然ありません。

当時見てたのはたしか、ドラゴンボールと男塾。燃えるお兄さん、北斗の拳、キン肉マン、聖闘士星矢、あとこち亀とついでにとんちんかんくらいでしょうか。

いずれにしろ読み始めたばかりの頃(小学校入学前)で、全作品は見てませんでしたね。

なのでこの山下たろーくんを見たのは高校に入って野球を始めた頃でした。

当時野球を始めたばかりの僕にとって、物凄く面白いマンガでした。

まず、山下たろーが人ごととは思えませんでした。

僕が野球を始めたのは高校1年の時からです。

中学ではスラムダンクの影響でバスケットをやっていましたが、高校ではメジャーの影響で野球を始めました。
※ちなみにその後はテニスの王子様の影響でテニスを始めます。

しかし、始めたばかりの頃の僕は素人同然で、キャッチボールもままなりませんでした。しかも僕の入った高校は軟式でしたが、結構な強豪校でした。

夏の大会では1年の時は残念ながら強豪と当たり、1回戦負けでしたが2年の時は準優勝。3年の時は全国優勝でした。

ちなみに僕は公式戦では一度しか試合に出ていません。
怪我をした人の代わりに出て、公式戦打率10割という記録を残しました。
(ヒット 死球 四球 四球)

3年の大会ではベンチ入りすらできず、ビデオ係をやっていました。

あと、基本ずっといじめられていたので、高校野球にはいい思い出がないですな。

なので山下たろーを高校2年の時くらいに見た時、すっごい親近感を覚えましたね。

山下たろー君は長嶋に憧れ、結構幼いころより野球が好きで毎日のように練習している描写がありましたが、高校になってもヘタクソで、周りから馬鹿にされまくってました。

しかし、大会が始まってからいきなりの急成長!

最終的には

甲子園優勝投手にまで上り詰めました

決勝までほぼ一人で投げ抜き、一試合だいたい200球以上投げてました。

バケモノや・・・

というか、さすがにこれはご都合すぎだろ・・・と思いましたが、それでも僕にとってはすごく励みになりました。

いじめられ続けながらも野球部を3年間続けられたのも、この作品のおかげかもしれません。

おかげで今も、楽しく草野球をやっております。

葵山優一は山下タローにとてもで感謝しております!

全試合激熱

この作品はほぼ試合ばっかやっていますが、毎試合毎試合各上の相手で毎回ラスボス戦を見ているような感じです。

まぁ、もともと毎回一回戦負けの学校ですからね・・・。

なので楽な試合など一度とてありませんでした。

ぶっちゃけ海空が闘った相手はどこが優勝してもおかしくないくらい強かったです。

見返してみるととんでもない事がわかりました。

連載中の海空高校試合結果一覧
(優勝しているのですべて海空が勝ってます)

VS山沼 8-7
VS大潮商業 5-4
VS五州4-3
VS三下工業3-2
VS江河原6-5
VS南浦5-4
VS明綾15-13
VS山沼7-6
VS北沢東6-5
VS紀伊国5-4
VS大中央学園6-5
VSあわもり高校6-5
VS山沼5-4

とまあこのように

ほぼすべての試合に1点差で勝っています!

ありえねー

補足として、基本的にほぼサヨナラヒット勝ちです。タローとかがホームベースに帰ってきてキャッチャーとクロスプレーになり、そのままサヨナラ勝ちというケースが多いですね。

明綾戦だけはあと一人帰れば同点という場面で熊田のサヨナラスリーランが出ました。

三振で裏を抑えて終わったのは恐らくあわもりと最後の山沼だけです。

とまあ、この説明だけでもどの試合も激戦だったことがわかると思います。

どの試合も見ごたえのある素晴らしい試合でした!

野球をやっている人、もしくは興味のある人には是非ともこのマンガをおススメします!

コミックスはどこを見ても試合中なので、1巻から順に見たほうがいいと思います。

最低の野球部員と言われた山下タローの成長を、是非ご覧になって下さい。

最後はマジ 泣ける・・・

(ノ﹏ヽ)

世界一長い1秒

野球マンガではよく、時間が止まったようにゆっくり流れます。

例えばピッチャーがボールを投げる際、ボールを離してからキャッチャーに届くまではどんなに長くても1秒程度です。

しかしマンガでは、その間に色々と心理描写を入れたり、脳内で会話したりする描写が多々あります。

だいたいこんな感じで・・・

ピッチャーボールを投げる
投手「どうだ! このボールが打てるか!」
打者「なんだ? さっきのボールとは何か違う・・・」
ボールが凄い変化する
投手「これが俺の切り札! スーパーカーブだあああ!!」
打者「なにぃ!? ボールがすごい変化しただとぉ!?」
投手「お前を打ち取るために、編み出した新魔球だ!」
打者「く・・・完全に振り遅れた・・・ダメか・・・」
謎の声「諦めるな!」
打者「え? 今の声は?」
謎の声「お前の力はその程度か!」
打者「死んだはずのオヤジ? 幻聴か?」
で、いろいろ話した後
打者「俺は負けねぇーー!!」
投手「な・・・なにぃ!? そこから体制を立て直しただとぉ!?」
打者「うおぉぉぉ!」

ホームランを打つ

この間 約1秒

・・・以上、ベタな野球マンガの勝負シーン例でした。

野球マンガではわりかしよくある風景だと思いますが、これらのやりとりはだいたい投球の間の1秒未満の間に行われています。

1秒間の間にこんなにやり取りができるか! と思われますが・・・
脳内の事なのでまぁ・・・物凄い速度で頭の中でってことで、一応説明は・・・つきます。

まぁ・・・一応・・・

そしてこの描写、山下タローくんでは特に多く使われます。

特にすごいのがコレ

須永vs山田

1秒の間に、本人達はほとんど何もしゃべってないのに

周りがものすごく喋りまくっているという

珍しいケースです。

先ほどの脳内バトルと違い、明らかに声に出して討論したり驚いたりしています。

いやいやいやいや
ここまでくると、もはやギャグですね・・・。

おk! 面白い!!

これはもはや、ギャグとして見るべきでしょう!(笑)

他にもホームランボールを外野まで追って行ったり、途中から加速するボールを投げたり鉛のように重いボールを投げたりと・・・

最近じゃあまり珍しくありませんが、当時ではものすごいインパクトだったと思います。

山下タローくん ギャグマンガとしても是非ともおススメします!

なお、続編として「株式会社大山田出版仮編集部員山下たろーくん」が出ております。

山下たろーが出版社に就職し、マンガの編集者となる話ですが、ちょくちょく野球もやります。

高校野球のあと、マンガ家目指してた僕にとってはメッチャストライクですっごい面白かったです。

こちらのほうもそのうち紹介します。

以上、県立海空高校野球部員山下たろーくんについてでした。

どうもありがとうございました。

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