ジャンプ

タイムウォーカー零について

この記事の主な使用画像出典 ©タイムウォーカー零 飛鷹ゆうき

こんにちは。葵山優一です。

今回紹介するのはジャンプ黄金期を支えた影の名作

タイムウォーカー零です。

ジャンル:少年マンガ・SF、バトル系
作者:飛鷹ゆうき
出版社:集英社
掲載:週刊少年ジャンプ 1991年26号~48号
コミックス 全4巻

作品紹介

1991年にジャンプで掲載された飛鷹先生のデビュー作です。

数回に渡って読切を繰り返し、本誌でデビューしたという異例の作品でもあります。

主人公、刹那零は過去に戻れる特殊能力を持ち、失われた美術品のサルベージや死ぬはずの人間を助けるなど過去の改ざんを法外な料金で引き受けるという裏家業を生業としています。

タイムウォーカー零の仕事 例

・ヤクザの一人息子が7年前、事故で足を失ったのでその日に戻り助ける。
・彫刻家が作品完成前に殺されたので過去に戻り助ける。
・令嬢が駆け落ちするための手引き。
・戦争で間引きのために像が殺してしまったが、戦争終了まであと4時間だったので、その間像を守る。

連載当初はブラックジャックのような一話完結の人情もので人気も掲載順では前のほうだったのでそこそこあったと思われますが・・・

ジャンプ黄金期お決まりのバトル展開にシフト!

したため、人気が一気に落ちて(掲載順がどんどん後ろに)連載終了してしまいました。

最後は無理やりですが伏線を回収しており、一応きちんと完結しています。

コミックスは4巻出ており、すべての巻末に読切が乗っているというこれまた異例の作品です。

思い出と感想

「短編こそ、その作者の真の実力がわかる」

かつてマンガの専門学校の先生がおっしゃっていました。

この飛鷹先生のタイムウォーカー零こそ、その言葉が実感できる作品だと思います。

基本1話(たまに2話)の短いストーリーですごく面白い話が続き、連載当初は毎週が凄く楽しみでした。

小学生ながら零と同じカッコ(青いジャケット+ジーパン)したり、「俺をゼロと呼んでくれ」とか言っちゃったり・・・

今思い出すと、相当好きだったと思われます。

しかし、途中から続き物のバトル展開となり、だんだん内容が難しくなって当時小学生の僕にはわかりにくくなってしまいました。

謎のライバルキャラや色々知ってそうな老人の出現に始まり・・・

5つ揃えると願いがなんでも叶う漏尽珠を探し出し、さらには「時の番人」と呼ばれるメッチャ強い謎の超能力集団が現れます。

しかし漏尽珠を2,3個集めたところで最終的にはまとめて手に入るというまとめ展開。

ラスボスも一気に倒し、日常に戻って終わってしまいました。

でも最終回後の単行本描き下ろしの話はすっごく面白かったです!

ずっとこんな感じで続いていったらよかったんですが・・・

先ほど申した通り、短編こそが最も難しく、作者の力量が問われるとの事。

バトル展開変更は致し方ないのかもしれませんね・・・。

僕の知る限りジャンプにおいて基本一話完結の話で長く続いたのはこち亀とアウターゾーンくらいです。

やはり黄金期で短編を続けるというのは、やはり相当至難な事なんでしょうね。

月日は人を変える

個人的に好きな話は駆け落ちを手伝う話です。

内容を簡単に説明しますと。

ある日、零の元へ大金持ちの夫人、真亜子が訪ねてきました。

66年前、真亜子は身分違いの恋をしていました。(当時16歳)

両親は当然許さず、相手と駆け落ちする事を決意しました。
1カ月後、待ち合わせの場所や時間は手紙で知らせると相手は言いましたが、手紙は来ず、真亜子は結局両親の決めた相手と結婚することに。

後でわかった話ですが、手紙は父に見つかり握りつぶされてしまったとの事。

彼女の依頼内容は零がその日に行き、彼女に相手が港で待っていることを伝えてほしいとの事。

高額な報酬で零は二つ返事で引き受けました。

零は66年前に戻り、真亜子に会いました。

66年前の真亜子はすっごい美人でした。
月日は人を変えてしまいますね。

真亜子の父の妨害を振り切り、港に向かう二人。
その途中 零は真亜子の荷物を全部捨ててしまいます。

駆け落ちの厳しさを説く零。

金だけが目当てと言っている割にはなかなかのナイスガイです。

連載当時、小学生だった僕には零の言ってることはよくわかりませんでしたが、とても大事な事を真亜子に伝えてるという事だけは何となくわかったような気がします。

真亜子は当然のごとく愛を取り、相手の元へ向かいました。

駆け落ちは成功。仕事は無事完了しました。

その後、現代に戻った零には人生をやり直した真亜子が待っていました。

とてもいい話だったと思います。
終わり方もよかったし・・・

こういういい話がずっと続けばよかったのに・・・

黄金期は数多くの名作を生みましたが、同時に数多くの名作の卵を失いました。

この作品もその一つだと思います。

仕方ないと言えば仕方ないかもしれませんが・・・

その後 飛鷹先生はジャンプを離れましたが、現在はゲームのアンソロ系で活躍しております。

僕の特に好きなファイヤーエムブレムのアンソロで再開した時はマジ感動しました。

葵山優一は今後とも飛鷹先生を応援しております!

以上、タイムウォーカー零についてでした。

どうもありがとうございました。

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